あゆ(朝会 学校長の話)
- 公開日
- 2011/12/05
- 更新日
- 2011/12/05
全校行事
『琵琶湖には、たくさんの魚がいますが中でも有名なのが鮎です。でもどういうわけか琵琶湖に住む鮎は、体長が五センチくらい、それ以上は大きく成長しないので、小鮎と呼ばれています。琵琶湖には、近くの山々から川が注いでいますから餌もたっぷり、海と違って湖にはさざ波が立つくらい穏やかで、魚にとってはこんなに楽で苦労もなく暮らせるところはありません。
春になると、この小鮎を網で捕まえ、水槽に水をはったトラックに載せ、全国の谷川に運びます。山奥まで運ばれた小鮎は、谷川に放流されます。小鮎はピチピチ元気いっぱいに跳ねながら、激流の中に消えていきます。こうして秋になります。と、どうでしょう。春に放流した鮎は立派に成長し、十五センチ以上の大鮎になっているのです。谷川の激流にもまれ、あちらの岩にぶつかり、こちらの石につまづき、大きな魚に追われたり、うずまきに流されないよう泳ぎ続けるうちに体の筋肉がつき、コケなどの餌を食べて大きく成長していたのです。
ひ弱でいつまでたっても大きくなれなかった琵琶湖の小鮎は、鍛えられると見事に成長するのです。