究極の給食 SEASON2
- 公開日
- 2024/12/16
- 更新日
- 2024/12/16
職員室より
ごはん
牛乳
まぐろカツ
キャベツのみそ炒め
けんちん汁
日本に住んでいてよかったと思うことがよくある。四季を感じるとき。他国の戦争のニュースを見たとき。そして、おいしいものを食べているとき。私にとって、『けんちん汁』はまさにそれだ。しかし、こんな私でも昔からけんちん汁が好きだったわけではない。幼少期、薄味のけんちん汁に、何度嫌気がさしたことだろう。母親が作ってくれたせっかくのけんちん汁を、いやいや食べたこともあった。『コーンポタージュ』とか『オニオンスープ』といった、洋風の人気スープを毎日飲みたいと思っていた。『豚汁』や『あさりやわかめのみそ汁』といった、主張の強い汁物は好きだったが、薄味のけんちん汁はあまり好きにはなれなかった。
基本的に嫌いなものはないのだが、大学生になり一人暮らしを始めると、食べたいものばかり食べていた。つまり、『コーンポタージュ』や『オニオンスープ』の生活が続いたのだ。自然と和食からは離れ、洋食ばかり食べる生活に慣れてしまっていた。実家に帰ってきても、地元の友達と遊びに出かけ、ほとんど家で食事することはなかった。そう、そのときは少しだけ、背伸びしていたかったのかもしれない。生き急ぎたかったのかもしれない。
就職が決まり、静岡に帰ってきて、母親の作るけんちん汁を久しぶりに食べたときのことだ。なぜだろう。不思議と涙が出そうになるほど、薄味が体にしみわたったのだ。なんてうまいんだ、、、。あんなに毛嫌いしていたけんちん汁が、なんでこんなに、、、。私の舌がおかしくなったのだろうか?いや違う。私の舌が、『故郷を感じることができるようになった』のだろう。
そして今日のけんちん汁。安定のうまさの中、具の中に『中〇寺?いも(ごめんなさい、名前を忘れてしまいました…。)』というさといもが入っていたのだが、その食感に魅了された。一般的なさといもより歯ごたえが柔らかく、舌で潰せるほどにまろやかだ。ごぼうやだいこん、にんじんといった根菜も、実に汁にマッチしている。油揚げや豆腐も、ジュワーっとしていてうまい。そして汁をすする。
う~~~~ん、、、、うまい、、、、、、、、。
落ち着く。落ち着きすぎる。けんちん汁よ、ありがとう。また出会える日を心より待っています。今日も完食、ごちそうさまでした。給食センターの皆さん、いつもおいしい給食をありがとうございます。