学校日記

後期始業式での話

公開日
2009/10/27
更新日
2009/10/27

校長室から

10月13日

後期が始まります。短い休みでしたがリフレッシュできたでしょうか。さて、後期は本格的に学習に力を入れていく期間になります。第4ステージの目標は「探求」です。自分の目標をしっかり持ち頑張りましょう。今日はこの本についての話をしたいと思います。この本の題名は『自由からの逃走』です。変だと思いませんか。普通「自由への」と使いそうなのに自由から逃げるなんて。そこがミソなんです。歴史上の人物でヒトラーという人を知っていますか。ユダヤ人を強制収容所で何百万人も殺害したといわれるナチス=ドイツの最高責任者です。第2次世界大戦の時のドイツの独裁者でした。この人はワイマール共和国という非常に民主主義的な国で多数決で独裁者になりました。不思議ですね!この時のドイツ人の心理を分析した本がこの本です。エーリッヒ=フロムという心理学者が書きました。ちょうどこのころ世界的な不況になり、失業者が増大し、世の中が混乱していました。その時「ドイツが大変なのはユダヤ人がいるからだ」「ユダヤ人を追い出そう」とヒトラーは強い口調で演説しました。生活の苦しい人は力強い英雄ヒトラーに熱狂的に賛成しました。そうしてドイツの人はヒトラーに自由を預けたのです。そしてドイツは反対することができないファシズムの国家になっていきました。
ところでみんなは授業中、クラスがうるさくて「先生が怒ってくれればいいのに!」と思ったことがありませんか。ある学校で「中学校の授業がうるさくて聞こえないから、塾へ行かないとやっていけない」と言っている生徒がいました。そんな時「先生が怒ってくれればいいのに!」と思ったそうです。でも、先生が怒鳴って、こわさでクラスを静かにさせているのはほんとに正しいことでしょうか。それこそみんなが「自由から逃げる」ことになってしまいます。独裁者を認めてしまうことになります。自分のクラスはみんながみんなの意見で決めていかなければいけません。民主主義はみんなで作るものです。クラスがうるさかったら、みんなが「静かにしようよ」と声を掛け合うべきです。大変でもみんなで協力して、うるさい人に注意していかなければなりません。わかりますか。
 後期はクラスの落ち着いた雰囲気がとても大切です。そうした雰囲気は必ず自分のためになります。ごくせんのヤンクミや水戸黄門、スーパーマンなんてどこにもいません。他の人に期待してはいけません。みんな一人一人が主人公になって頑張って欲しいと思います。

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