学校日記

読書の秋

公開日
2009/11/05
更新日
2009/11/05

校長室から

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 11月の全校集会    11月4日
 秋も深まってきました。気温も少しずつ寒くなってきました。昨日は西地区コミュニティまつりで3年生のたくさんのボランティアが活躍してくれました。とてもうれしく思いました。さて、秋は○○の秋!といわれることが多いですね。たとえば収穫の秋、食欲の秋、読書の秋などです。何か行うのにちょうどよい気温なのでしょうね。来週から読書週間が始まります。みなさんな本を読んでいますか。私は読書はとても大切なものだと考えています。本の良さはまず第一に、テレビや映画と違い止まって考えることができること、すなわち想像力を働かせて自分のイメージをふくらませることができることです。二番目として他の人の気持ちを理解することができ、「こういうときにこういう気持ちになるんだ」と感性の幅を拡げることができることです。幼い子は自分だけしか考えられませんが、みんなぐらいの年齢になると他の人の心を推測できるようになります。三番目として広い知識と教養を得ることができることなどがあげられると思います。でももっとも重要なのは心です。心の豊かさを育むことができることだと思います。みんなは本を読んで泣いたことがありますか?喜んだり、泣いたり、笑ったり、怒ったりという経験をたくさん持つと人生が豊かになります。
今日持ってきた本は「お薦めの本」に書いた『異邦人』です。フランスのアルベール=カミュという作家が書きました。短い本ですが私の一生を変えた本だと思います。今でも、私の考え方の中心はここからスタートしています。
 主人公ムルソーは殺人事件を起こします。理由は「太陽がまぶしかったから」。逮捕され裁判にかけられ死刑の宣告を受けますが、その理由が母親の葬式の時に涙を流さず、女友達と映画を見に行ったということ。死刑の前に牧師がやってきます。「神に祈りなさい」と。しかしムルソーは「私はしっかりと生きてきた。あなたの人生より充実していた」と告げます。結果には原因があるといわれますが、説明できない場合だってある。不条理という言葉を考えたり、生きるってどういうことだろうかとそのころ考えてました。
 高校生の時に読んで衝撃を受け、原文(フランス語)で読もうと決めました。そのために大学では文学部の授業にもよく出席していました。大学のほかに日仏学院というフランス語の専門学校にも同時に通いました。その学校ではすべてフランス語なのでとても大変でした。そうして、やっと原文を読み切ることができました。
 図書室に行ったことありますか。西中の図書室はとてもよい環境になっていて、本が選びやすいですね。今、世の中にたくさんの本があふれています。だからよい本を巡り会うのが難しいかもしれません。そんなとき、図書委員会で薦めている本や、名作といわれる文庫本などから選ぶといいと思います。司書の先生に相談するのもいいと思います。ぜひこの秋、よい本をいっぱい読んでください。