前期 終業式
- 公開日
- 2011/10/07
- 更新日
- 2011/10/07
校長室から
今日で23年度前期が終了しました。授業日数は101日です。みんなにとってどんな学期だったでしょうか。新しいクラスがスタートし、5月には修学旅行や自然教室等がありました。先日は西竜祭体育の部、文化の部がありました。みんなの心に大きなものが残ったと思います。
さて、日に日に秋の気配が感じられるようになりました。みんなは「秋だな〜」と感じるのはどんな時ですか?突き抜けるような青空に富士山が凛とたっているのを見たとき、銀杏の木の葉が黄色に色づいたときなどいろいろあると思います。人間の感覚として目で見て感じることが多いですが鼻で感じるものもあります。中庭にあるキンモクセイに気がつきましたか?先日、橋本先生の授業を1Bでやっているとき、その匂いが漂ってきてとてもいい気持ちでした。私はキンモクセイのにおいが漂ってくると、この季節を感じます。
ところで三嶋大社に巨大な金木犀があるのを知っていますか?樹齢は1200年を越えると推定される巨木で、現在もっとも古く、かつ大きなモクセイとして知られています。1200年前だと西暦800年くらいだけど何時代かわかるかな?(794年が平安京遷都だから平安時代になったばかりだね)国の天然記念物です。円形に広がり、地面に届くほど垂れている枝先がこの木の生きた歳月の長さを物語っています。薄黄色で可憐な花は甘い芳香を発し、それは神社付近はもちろん遠方までにおよび、時には2里(約8キロ)先まで届いたと伝えられています。従ってこの付近まで匂ってきたのかもしれません。
さて、においとは漂ってきて嗅覚を刺激するものであり、人間の本能や、特に感情と結びついた記憶と密接な関係があります。つまり匂いはもっとも感情を刺激する感覚だそうです。近年の日本では匂いが無いことがよしとされて、消臭グッズなどの売上が伸びているようですが、しかし、これからはこのにおいに注目が集まってくると思われます。においは人に生理的な影響を与えることがあり、アロマテラピーとして、主として花や木に由来する芳香成分の香りを活用し、ストレスを解消したり心身の健康の維持に活用されています。また、記憶力を高める効果があるとも言われています。
最近映画でも3Dよりさらに進んだ4Dの映画ができ、においが出てくるようになっているそうです。そしてそれは家庭用のテレビにも進化し、映像に合わせたにおいを発するテレビも開発中だということです。おもしろいですね。
ハワイの飛行場に降りたとき、甘いにおいがしました。韓国の市場を歩いているとキムチのにおいがします。そんな風にその土地のイメージに結びつくと思います。やがてはどこかの駅に独特のにおいを発する装置ができ、心地よさを演出するようになるかもしれません。しかし、日本には繊細な《香り文化》があります。華道や茶道と同じように香道というのもあります。自然のかすかなにおいにこそ良さがあるといいます。夏場にエイトフォーなどの制汗スプレーを使う人がいますね。でも、強すぎるにおいは不快感を与えるということも覚えておいてください。
さあ、明日から5連休の秋休みです。三者面談で前期の様子が話されたと思いますが、十分振り返り、リフレッシュして後期に備えてください。そして、ゆっくり周りを見回して秋を感じてください。