学校日記

入学式の式辞(抜粋)

公開日
2012/04/09
更新日
2012/04/09

校長室から

  • 931914.jpg

https://susono.schoolweb.ne.jp/2220004/blog_img/11798795?tm=20240815153205



春を感じさせてくれるものの一つに桜の花があります。
以前、この「さくら」という名前の意味を調べてみたことがあるのですが、そのひとつに、「ら」という字には複数のものの集まりという意味があるので、たくさんの花が集まって咲いている植物ということで「さくら」と呼ぶようになったのではないか、という話が載っていました。
確かに、桜はたくさんの花がそれぞれその美しさを競い合うように咲いています。そして、一つひとつの花はそれほど大きくないのですが、距離を置いて眺めると、そのたくさんの花が溶け合って、まるで綿菓子のような淡い桃色に彩られた一つの大きな生命のように見えてきます。
この桜の花ですが、なぜ多くの人に愛されているのでしょう。華やかな雰囲気、可愛らしさを感じる色合いも大きな理由のひとつでしょうが、私はそれだけではないように思います。
厳しい冬の寒さに耐え、時が来れば再び私たちの前に現れ、春の到来を教えてくれるその姿を、私たちは自分の一生を重ねながら見つめ、生きることの尊さを知り、自分もそうありたいという思いを深めるとともに、次の一歩を踏み出すための決意を新たにすることができるからではないかと思うのです。
人の一生は楽しいことばかりではありません。楽しいことばかりではいけないのかもしれません。苦しいときや辛いとき、乗り越えたい大きな壁があるからこそ、人は勉強し、努力します。そして、かけがえのない大切な誰かに出会うことによって、困難を乗り越え、たくましく成長した新たな自分を見つけることができる、それが生きているということの証なのです。
皆さんの中学校生活も、生きていることの素晴らしさを感じる毎日が続くよう願っています。