夏休み前集会(要旨)
- 公開日
- 2012/07/30
- 更新日
- 2012/07/30
校長室から
◎“思いやりと支え合い”を意識しよう
“思いやりと支え合い”は、今年度、皆さんが生活する上で最も意識してほしい言葉です。“思いやりと支え合い”を意識し行動することで、“心が豊かになる、友達や学級、部活動の絆が深まる”“自分や他者を大切にする気持ちが深まる”“生き方(目標)が見えてくる、生きるための活力が湧いてくる”“毎日が楽しく充実する”といった現れを期待しています。“思いやりと支え合い”を自分なりに理解、解釈し、求めたい自分の姿を明らかにしましょう。取り組みのキーワードとして “振り返り”“継続”“勇気”を挙げておきます。この3つの言葉を意識した生活を心がけましょう。
◎“思いやりと支え合い”の視点から生活を振り返ってみよう
四月以降の活動や行事、学習姿勢、生活態度などを振り返ってみたとき、“思いやりと支え合い”を意識した取り組みができているでしょうか。求めたい自分の姿と現在の自分の姿を対比しながら、課題の確認や新たな目標の設定を行い、夏休みや次のステージの生活につなぎましょう。
◎私が感じた“思いやりと支え合い”
「フラガール」という映画があります。舞台は、昭和40年の福島県いわき市の炭鉱町。石炭から石油へとエネルギー革命の波が押し寄せ、鉱山の閉山が相次ぐなか、町の危機を救うために「常夏の楽園」を建設しようと立ち上がる人たちが現れます。実話をもとにした映画で、常磐ハワイアンセンター(現在のスパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の様子が描かれています。
この映画のキャッチフレーズの一つに“人生には降りられない舞台がある。まちのため、家族のため、友のため、そして自分の人生のために、彼女たちはフラダンスに挑む。”があるのですが、その意味合いを端的に表しているのが「一山一家」という言葉ではないかと思います。“炭鉱の安全を確保するためには、家族を含めた全員が団結しなければならない。皆が一つになる必要がある。”という思いを込めたこの言葉が生活の支えであり、互いを結びつける絆を象徴しています。
ところで、「フラガール」で描かれたハワイアンセンターは東日本大震災で大きな被害を受けました。多くの施設が倒壊し、残った建物では避難してきた住民を受け入れたそうです。このような状況の中、関係者の皆さんは自らが被災しながらも踊り続けることを決意し「フラガール全国きずなキャラバン」(全国巡業)に出かけます。“福島から笑顔を届けるのが仕事。それは被災者たちの心を支える仕事でもある。”という思いに胸が打たれます。関係者の皆さんを支えているのは、これからも福島で生きていこうという思いであり、互いの絆です。そこには、センターの創業から五十年近く経過したたった今でも“一山一家”の精神が受け継がれていると思います。
◎改めて西中力を考える
以前、生徒総会で皆さんが“あいさつ運動”について議論した際に“西中力”とう話をしました。西中力とは、西中に関係する多くの人達が持つ力の総和、西中の絆であるととらえました。それは、“皆さん一人ひとりの成長と、学校に対する愛情、思いの連鎖が育む力”といってもよいでしょう。
西中力は“一山一家”の言葉と通じ合うものがあると感じています。私たちは、この西中力をさらに高めるよう努力することが大切です。そのカギは“思いやりと支え合い”を意識し、実現しようとする私たちの姿にあります。
いよいよ夏休みです。規則的な生活や学習、体力づくりを心掛け、家庭や地域とのつながりを深めながら、思いやりと支え合いを実現する夏にしましょう。